助けてあげる
どれくらいそうしていただろう。
冷たいとかそういうのはもうとうに分からなくなっていたのだけど
指先がふやけて白くぶよぶよになっているのはわかった。
気持ち悪いな、と思う。
でもそんなものはこの体を包む気持ち悪さの前では可愛らしいものだ。
他のどの感覚が麻痺しても、あいつらの動きだけは消えない気がした。
むしろより鮮明になっていくような。
(殺したいころしたいコロシタイ)
誰を?
あいつらを?
…自分を?
「恭弥!?」
バタン、と派手な音がした。
「何をしている、制服のままで!」
「うぉ、これは水ではないか!」
「恭弥、恭弥?」
「おい、恭弥!!!」
前へ、後ろへ、何かが揺れる。
自分が揺すられていたのだということに、少ししてから気がついた。
「…了平、」
「恭弥?」
僕の肩をつかんで揺らしていたのは了平だった。了平。そう、了平だ。
そう確認したとき、フと思いついた。
自分を助ける一つの方法。
だから僕は、すっかり重くなった腕を無理やりに浮かせて、了平の首に巻きつける。
了平の耳に口を近づけて、精一杯の甘えた声を出す。
この年になって甘えたことなんかなかったけれど。
いつかどこかで見た、男に媚びる瞳を潤ませた女を意識して。
「了平、しようよ。触ってよ、全部、どこもかしこも」
かすれた声が出たのは予想外。
片膝をついた了平の股間に膝を擦りつけたのはわざと。
僕は知っていた。
了平が昔から僕に甘いことを。
そして僕は堕ち続ける以外の道を知らなかったのだ。
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